|
|
「はーばーらいと」
水谷豊のために作ったけど、水谷豊って人はショーケンとやってたテレビの『傷だらけの天使』でいい感じだったから、興味あったしね。あの人も、ちょっと“この頃、妙だ”的なところもありまして、ちょっとなんかおかしい。ヘンな感じだから、そういうところに親近感があったり、興味があったりして。それが今度、フォーライフに来るっていうんで、それで曲書いて。さっき「“心もよう”なんて曲を意識的に作ろうって思っても、駄目だよねぇ」なんて言ってたけど、それ的なやつをパロディとして人に書くのなら、面白いかなぁって。
「ダンスはうまく踊れない」
これは石川セリさんとお付き合いが始まって、彼女が家に来るようになって、やっぱり相変わらず“歌ていうのは短時間でできるんだ”っていうことを、威張りたかったんでしょうねぇ。よく女の子とデーとしたりして、こう、相手の気を引こうとして、話の枕として、手品かなんかする事って、たとえばあるとするじゃない?“アッ!”とかって相手驚かして。これはまぁ、そういう典型的な手法ですよ。三十分くらいでサッと作って。なんて言ったらいいのか.....ちょっと古典的かもしれないけど、「この曲をあげるよ!」ってやつで。それで彼女、歌って。
「TRANSIT」
僕はレコーディングしている時、レコーディングとレコーディングの合間の時間にもヴォーカル・マイクだけ生かしておいて、適当に歌いながら楽しんだり、それから曲作ったりってことがあるんですけど、「TRANSIT」はね、そうやってるうちにできたんですよ。それでデモ・テープに録音して、ずーっとそのままにしてあったんだけど、「どういう人が歌う歌かなぁ」「アメリカのバラードが上手な人が歌うような調子で、ニューヨークでもなくて、でもカンサスでもなくて」とかって思ってて.....。それで、松任谷裕美さんに詞をお願いしたんだよ。かな?松任谷裕美さんが、「曲が必要だ」っていうんで、これを提出したのかな?忘れちゃったねぇ。あ、なんか田辺昭知さんの奥さんになった小林麻美さんのプロデュースを松任谷さんがやっていて、「陽水、曲、書かないーぃ?」だったのかな?なんか、その三つのうちの一つですね。でも、曲が最初にあって、後から詞を書くのってすごく難しいんだけど、彼女の詞を見ると、やっぱり立派だなぁって思ったね。ちゃんと詞になってるっていうか.....。
「A,B,C,D」
これは沢田さんに書いたものですけど、『9.5カラット』っていう“カバーもの”いや、“逆カバー”かな?なんて言うんだろう?そういうやつ作ってて、「他人にあげてる曲、ない?」ってな調子で、「そういえば、沢田研二さんに随分曲をあげたなぁ」なんて、レコーディングしたんじゃないかな。
「恋の予感」
安全地帯の第二弾シングルだと思うんだけど、「ワインレッドの心」というのを書いて、僕の気持ちはあの、幸いなことに「ワインレッドの心」っていうのがうまくいったから、後は彼ら、自分達で作るべきだというふうにも思ったけど、なかなかそうもいかない事情があって、それで金子章平がね、金子章平はよくこっちの気持ちが分かってるわけですよ。「そんなズルズルした付き合い、嫌だ」ってことを。でも諸事情あって、「陽水の気持ち、すごくよく分かるんだけど、なんとかならないのかなぁ」なんてそういう話があって、それで作った気がするけど。メロディは玉置くんのメロディだから、彼が歌うんだし全然心配なかったけど、詞はね、せっかく安全地帯は「ワインレッドの心」で若い女の子のファンがたくさんついたんだから、野球の歌じゃまずい。そういうファンの人達に何をいうのか、それだけを考えて作ったね。でも「恋の予感」てタイトルは、もっと“恋”じゃなくて“ナントカの予感”て外れてるもので、全然外れてるけどマッチングいい、みたいなね、そういうものが一番いいのになぁ、なんて後から思ったりもしたけど、でも思い浮かばなくて、何となくこういうありきたりな感じになっちゃった、というの覚えてますけどね。
「飾りじゃないのよ 涙は」
完全に中森明菜さんを意識して書いた歌で、明菜さんはもう、ずいぶん問題児だとかツッパってるとか言われてて、スタッフの言うこと聞かないんじゃないかと思ってたし、ちょっと普通のアプローチかもしれないけれど、そこで作ってみようかなぁって。それで“飾りじゃないのよ 涙は”なんですけどね。
「からたちの花」
これは糸井重里さんが当時樋口可南子さんのレコードのプロデュースとかもしてたんじゃないかな?それで御鉢が回ってきて、一曲どうだっていうんで。こういう詞があるって。でも詞を見ると、糸井さんがどういう女性、どういう“性生活”を好んでるのか、何となく分かるような気がするんだけどさ。糸井さんはもちろん、これはひとつの冗談とかギャグで、自分の実像の性の好みとか、そう簡単には明かしてないって、きっと言うかもしれないけど。でも、これがそのある一部であることは間違いないという感じがするね。
「いっそ セレナーデ」
CMが決まってそのCM用に曲を書かなきゃいけないっていうんで、困っちゃって、それでなんか二、三曲章平ちゃんに聴かせて、自分としては「いっそ セレナーデ」っていうのが一番駄目っていうか、きっと選ばれることはないんだろうなぁなんて思いながら聴かせた曲だね。でも章平ちゃんは「これが一番いいんじゃないかなぁ」なんて言って、「そうかなぁ、こんな曲、どこがいいのぉ?」な〜んて僕が言った記憶があるけど。この曲、一番はなんとなく作ってあって、でもサビがなくて、これだけだと単純だから、サビは必要だって、それでやっつけ仕事みたいな感じでサビを作った記憶があります。レコーディングの時のことも覚えてて、何回も歌うわけだけど、なんかその中にひとつだけね、歌い出しの“♪あぁ〜まぃい〜”って響きが抜群に思えたテイクがあって、全体的には違うテイクの方がいいんだけど、その“♪あまい口づけ”の部分だけはね、そのテイクが僕も金子も「すごく響きいいよね」って言って、それでそこだけはそのテイクを移した記憶があるねぇ。