青い闇の警告 / 映画に行こう

1978/08/10発売 フォーライフ

「映画に行こう」

これも好きな曲で、最近のコンサートでもやってる。スローブルースをやりたくて作った曲で、一番なんかは典型的なブルースコードが並んでいるんだけど、サビが終わると偶然、転調してるんですよ。そのサビが終わるとまた戻るんですけど、この曲をミュージシャンとリハーサルすると、「エッ? これ何? サビはどうなってるわけ? 何のキーなの?」なんて、そういうトリックが行われてる曲で、自分としては何かそのヘンなふうになってるところを気持ちよがってるんだけど。


ミス コンテスト / 8月の休暇

1978/10/21発売 フォーライフ

「ミスコンテスト」

いまだに時々歌うってことは、相当気に入ってる証拠だろうと思うんだけど、ここ二、三年ね、「女性のミス・コンテストっていうのは、なにか馬の歯並調べるみたいでね、つまり差別じゃないか」なんて話を聞くわけですけど、僕がそういう気持ちを随分前から持っていた証拠ですよね。そんな角度で書いたつもりなんですけどね。

「8月の休暇」

音楽わかる人はわかると思うけど、CのキーでいうとFmを多用した歌で、だいたいそういうコードは一番だったら一カ所くらいしか使わないんだけど、これは二度使ってる。そこがこの曲のキーになってる。


なぜか上海 / 娘がねじれる時

1979/08/05発売 フォーライフ

「なぜか上海」

よくコンサートで歌うし、僕の音楽好きな人はこの曲を好きになってくれる。これはやっぱり、自分が九州ってところで生まれて、子供の頃から戦争中の話とか戦前の暮らしに興味があって、例えば芸者とお金のない若者が恋に落ちて、その芸者には旦那がいて、ほとんどお金の鎖でつながれてるわけだけど、やっぱり愛の方が強くて、その若い男とデキちゃってトンズラする。その行き先が上海だっていうような話を聞いて、「そういうことがあったんだろうなぁ」なんて思って。ルールの中でみんな暮らしてるけど、そのルールからはみ出る人もいて、そういう人達が落ち着く先のひとつとして上海があったのかなぁって思って、なかなか象徴的な場所だなぁって。さっき「ダンスの流行」であのメロディが出てきたときは宿題が解けたような気分だったっていったけど、この曲も“♪そのままもそ、もそ、も、もそっと.....”という、こういう譜割りでもって、こういう形で日本語乗せた時は、何かひとつ宿題解けた、「あ、やったっ!」みたいな気持ちになったの覚えてる。それからこの曲、一度、吉見佑子さんから“♪流れないのが海なら それを消すのは波です”ってとこ、「やるわね! 陽水さん!」て。言われたの覚えてるよね。だからここを歌うたびに、吉見佑子さんの顔が出てくる。

「娘がねじれる時」

自分の曲で【A】を付けられる曲で、これもしょっちゅう、コンサートで歌うしね。この曲を歌ってて、特に三番になって、“♪娘には父親が五人も居たが 父親の会社には守衛も居ない 情熱と生産は反比例をし 社長には八人も愛人が居た”ってところになると、いつも歌ってて前のめりになっていくっていうか、ずーっと他はぼんやり歌ってるけど、ここは「ちょっとみんな、よく聴いてよ!」みたいな気持ちになって歌ってるんですよね。


BRIGHT EYES / 答えはUNDERSTAND

1980/07/05発売 フォーライフ

「BRIGHT EYES」

マージャンで知り合った畑正憲さんが、『ウォーターシップタウンのうさぎたち』という映画をプロデュースするというんで声がかかってね。メロディが先にあって、それに僕が訳詞みたいな調子で詞を書いた。

「答えはUNDERSTAND」

気に入ってて随分歌ってて、詞はトンチンカンなんだけど、トンチンカンなりに何となく分かるっていう、その境地がこの頃出始めてきたね。トンチンカンだけど、全体を通すと何かが伝わる、みたいなね。そういうのって、いまだに多かれ少なかれあって、「少年時代」って歌だって、何言ってるんだかよく分からないんだけど、全体通して聴き終わると、何か分かったような気がしちゃう−−そういうヤツです。それで、そういう手法っていうかただ単に「詞を作りたくない」っていうところだったんですけど、そういうところは意識してたから「答えはUNDERSTAND」というタイトルとか、もうそれがそういう気持ちなんですよね。