
「いっそ セレナーデ」
CMが決まってそのCM用に曲を書かなきゃいけないっていうんで、困っちゃって、それでなんか二、三曲章平ちゃんに聴かせて、自分としては「いっそ セレナーデ」っていうのが一番駄目っていうか、きっと選ばれることはないんだろうなぁなんて思いながら聴かせた曲だね。でも章平ちゃんは「これが一番いいんじゃないかなぁ」なんて言って、「そうかなぁ、こんな曲、どこがいいのぉ?」な〜んて僕が言った記憶があるけど。この曲、一番はなんとなく作ってあって、でもサビがなくて、これだけだと単純だから、サビは必要だって、それでやっつけ仕事みたいな感じでサビを作った記憶があります。レコーディングの時のことも覚えてて、何回も歌うわけだけど、なんかその中にひとつだけね、歌い出しの“♪あぁ〜まぃい〜”って響きが抜群に思えたテイクがあって、全体的には違うテイクの方がいいんだけど、その“♪あまい口づけ”の部分だけはね、そのテイクが僕も金子も「すごく響きいいよね」って言って、それでそこだけはそのテイクを移した記憶があるねぇ。
「Speedy Night」
これも相当いい加減な曲ですよね。途中でビートルズの「Drive My Car」の一節を入れてしまったりして、もうとことんいい加減。

「新しいラプソディー」
これは健康的方面の、盛り上がって、夜空に向かって両手を挙げる、そういう歌を作ろうよって作った歌ですね。まぁ、こういうのは、自分では“ヤスイ”なと思ってるんですけれど、コンサートなんていう特別の空間では「分かっちゃいるけど、いいねぇ」っていうようなこともあるんです。
「ダメなメロン」
これは今一番気に入ってる曲なんですよ(1992/05現在)。すごくいいヴォーカルが録れてる。だいたいレコーディングの時のディレクターとかミキサーっていうのは、一応歌が録音できればそれでいいわけだから、こっちが調子に乗ってスキャットかなんか続けてても、早くテープを止めたいわけですよ。でも、この時はあまりにもこっちが気持ちよく歌ってるから、止めないでテープがけっこう回ってたんですよね。それがそのままCDに入ってる。

「夏の終わりのハーモニー」
安全地帯と一緒にコンサートやって、玉置浩二と二人で歌うっていうんで、それで作った曲ですけど、僕が考えるには、ちょっと安易なアプローチだったかもしれないですね。でも、こうして時間が経過してみると、凝らなかったのが逆によかったのかなぁ、とも思いますけどね。
「俺はシャウト!」
「夏の終わりのハーモニー」のB面はどうするんだっていうんで、レコーディングの当日、玉置浩二と二人で「どうしようかB面?」って「じゃあ、今日のこと書いちゃうから、適当にメロディつけて」って。だから“ディレクター”とか“フェンダーのアンプ”とか“トーク・バック”とか、そういうことが詞に出てくる。でもこの曲ぐらいじゃないかなぁ? 僕が本当に“ウァウォ〜ッ!!”ってシャウトしてるのは。これ、玉置浩二が大好きで、「もう一度、やりたいですね」ってよく言う。

「WHY」
コンサートしょっちゅうやってた頃っていうのは、駅弁見ると気持ち悪くなったんですね、食べ過ぎて。で、「WHY」のヴォーカル入れの時は、このオケ聴くと、もう気持ち悪くなってた。流れてくると“ウウッ”って。ヴォーカルのダビングを、異様なくらい回数やってたからなんですよ。通常のスタジオでは駄目だから、観音崎のスタジオはどうかって行ったりしても駄目。じゃあっていうんで伊豆のスタジオでの歌入れもこれも駄目、伊豆のスタジオの、芝生のある庭で、夜、ヴォーカルを録ったらどうだ?って話になって、そうしてマイクを外に出してやってるんです。だからちょっと虫の声とかが。この時のスタジオ使用料は莫大ですよ。その「WHY」って曲は、もうおわかりと思うけど、ジョン・レノンの一連のやつの影響ですよね。「Love」とか、あれ的なやつを作ってみたいなと思ってたんですよね。
「揺れる花園」
ここらへんから、もうデモ・テープにね、すっかり日本語が入らなくなっていて、「揺れる花園」なんかも、まるで日本語がなくて、だからどうして後から日本語に置き換えるとフラットな安易な感じになっちゃうんですよ。