今夜、私に / 恋は自分勝手に

1988/09/07発売 フォーライフ

「今夜、私に」

これは“セフィーロ”のコマーシャルのなんですけど、冒頭の“♪学舎にうつむく子供に.....”あたりで、最初は「わだつみ」という言葉がどういうわけか出てきたの覚えてますね。ここにある詞には、その言葉は残ってないですけど。

「恋は自分勝手に」

これは鈴木茂がアレンジした曲だっけ? イントロから一番の歌なんていいんだけど、「HANDY TALKYは警官用 / WALKY TALKYは犯人用」が多すぎるね。


夢寝見 / 紅すべり

1989/07/21発売 フォーライフ

「夢寝見」

ブライアン・フェリーみたいな、あんな感じの、あんなタッチのができたらなぁってデモ・テープ作り始めた曲です。

「紅すべり」

この曲の詞はね、あまり言葉になんか興味持っていないようなミュージシャンとかにね、「陽水さん、すごくエッチな歌ですねぇ」とか、そんなこと言われるんですけど、確かにそういうつもりで聴くと、そんな感じになってますけどね。


最後のニュース / BACK SIDE

1989/12/21発売 フォーライフ

「最後のニュース」

それでこの『ハンサムボーイ』は『NEGATIVE』の轍を踏まないようにってことでしたけど、やっぱりたまには、そういうことも少しはありましたね。ここで大きいのは川原伸司さんが入ってきたっていうことで、川原さんは、このアルバムの「自然に飾られて」とか、「少年時代」とか、「Tokyo」なんかを一緒に作った人なんですけど(ペンネームは平井夏美)、そもそもこの川原さんと出会ったのは、僕が筑紫哲也さんの『ニュース23』の音楽やることになって、それで「最後のニュース」というのを書いたんですけど、オープニングのジングルっていうか、テーマ・ミュージック。それも頼まれて、大瀧詠一さんに手伝ってもらおうって連絡とったのがきっかけだったんです。その前に『ニュース23』 の音楽をやるきっかけもあって、実はこの『ニュース23』が始まる二、三年前にね、僕の結婚の十周年のパーティっていうのがあって、そこに筑紫さんも来てくれたんですけど、それぞれ酔っぱらいながらいろいろ話した中で、僕が筑紫さんに、「またなにかやってくださいよ」って言っちゃったんですね。僕にとっての筑紫さんて、前に10チャンネルで『こちらデスク』って番組やってたときの印象が強いから、「期待してます」とかって。つまりキャスターみたいなことを。筑紫さんその時は外国に取材行ったりいろいろしてたんだろうけど、テレビ辞めて人に見られなくなったからか、風貌とか気にしなくなっちゃってる感じが残念でね。それが再びキャスターやることになった時、「僕が今度この番組やるのは陽水の責任だから、曲を書く義務がある」な〜んて言われて、もちろん筑紫さんの本当の理由は別にあったんだろうけど、それで「最後のニュース」っていうのを作ったんです。「最後のニュース」は「愛は君」のところでも言った“詞の畳み込み”です。いろんなニュースを思いつくだけずらっと並べちゃおう。それは月に行ったアポロだとか、ジョン・レノンやケネディとか、ツェッペリン号の燃え上がったのとか、ベトナムのボートピープルとか、自然保護の原子力、エイズ、B型肝炎、地球保護、大気汚染。中近東、女性の台頭、ストック・マーケット.....でも、このままじゃマズイなぁ、最後の“決め”というのをちゃんと時間かけて書かないとって思いながらも、取りあえず書いておこうと思って最後に“♪今 あなたに Good-Night”って、でもいくら何でもこれじゃ駄目だろうって思ったけど、なんとなくやるのが面倒になって、そのままになっちゃったわけですけどね。それで、もうひとつ、番組の始まりのジングルもやらないといけないし、どうしようかなって思ってて、向こうのスタッフは僕の声が入ってる方がいいって言うから、じゃあハーモニーだけど、誰かいいハーモニーのアレンジしてくれる人はいないかなぁって思って、どういうわけか僕はその時、大瀧詠一さんのことを思い浮かべたんです。連絡つけてもらって、うちの事務所に来てもらったんですけど、大瀧さんはシャイな人だから仕事仲間の川原さんて人を同行してきて、その三人で僕の仕事部屋でああだこうだといろいろな話をしているうちに、川原さんもビートルズが大好きだってことがわかって。それで親しくなって.....。

「BACK SIDE」

「もうこんなヒドイことはない」っていうのがこの「BACK SIDE」って曲で、「B面作んなきゃいけない」「どうしようか?」「“B面”ていう歌にしたらどうか?」なんて?。


少年時代 / 荒ワシの歌

1990/09/21発売 フォーライフ

「少年時代」

(荻野目洋子に“ギャラリー”を歌ってもらうのが決まって)「ギャラリー」のB面を何にしようかってことで、川原さんがピアノ弾きながら、随分いろんなB面候補作ができたんですけど、その中のひとつが「少年時代」って曲で、そうやって「う〜ん、B面できたね」「できたねぇ」とか。それが、「でもちょっとこれ、B面じゃよすぎない?」なんて話になっちゃって、「じゃあもう一曲作ろうよ、ちょっとB面向きのやつを」とかって言い出して。このへんの話がこのアルバムのキーポイントでもあるんですよ。だから「少年時代」はそうやってB面用になんとなく“♪夏が過ぎ 風あざみ”くらいは日本語があって、あとは“♪ダラララルルル〜”っていうテープ取っておいてね。でも、じゃあ、何にするでもなかったんですけど、そんな時に安孫子さん、つまり藤子不二雄Aさんが『少年時代』って映画を作るってことで音楽の依頼があって、それと荻野目さんのB面候補だったこの曲が結びついたんですね。安孫子さんとは、マージャンとかでちょっと知り合っていたし、どういうわけか僕の子供に「オバQ」のカレンダーとかくるんですよ、まめに。「やるなっ」って思ってたんですけど。

最近「少年時代」が教科書に載ったんですが、ボクが若いころの記憶でいうと、そんなところにいっちゃいけないという自覚もあるんです(笑)。「あまり軽はずみなことはしないで」とか言われかねない状況で、そういう環境にいるのも楽なんですけど。でも、それを壊していかないとまずいなという気がして。

「荒ワシの歌」

うちの子供がリトル・リーグに入ってるんですけど、そのうち僕が音楽やってるっていうのがチームの監督に分かって、つかつか寄ってきて「すいません、井上さん、うちのイーグルス、今度合宿に行くんですけど、なんかみんなでうたう歌がないんで」とね。「ちょっとソレは難しいです」とか、最初は断ったんだけど、さっきの『ハンサムボーイ』の川原さんと遊んでる時だったから、「そんなのチョチョイのチョイ」だって。チームに持っていって喜ばれて、でもその時はテープだけだったけど、また「B面ないねぇ」って。「いいじゃない、これで」って。