
「カナディアン アコーデオン」
「カナディアン アコーデオン」の筒美京平さんには、歌詞を渡してメロディーをつけてもらったんです。曲はテープと譜面で届いたんだけど、彼一流のダンディズムというか、耳のいい人じゃないとメロディーが追いかけられないようなテープで、まちがったまま吹き込んでしまった(笑)。それで、「曲線の道」という歌詞の「の」の部分なんですけど、「すみません。メロディーまちがえて、レコーディングしちゃいました」と謝りの手紙を出しました。「完璧なメロディーですごいんだけど、よりいっそう完璧なものにしますから、それには傷がないといけない」とか書いて(笑)。この曲は音域が広いし、「旅行く人に・・・・・・」のメロディーはアブストラクトだし、難しい曲で、「ほー、井上陽水、歌手だって言ってるね。じゃあ、歌っていただきましょうか」といわれてるような気がしました。ほんとに、絶対自分じゃ考えられないものがあるところが新鮮ですね。

「愛は君」
これは当時、『anan』ていうのが創刊されるとかいうようなことになって、愛についての詩か何かを募集してたんですよね。それで応募はしなかったんですけど、「あいについてねぇ.....」なんつって、愛を全部畳み込んだ歌なんです。ともかく詰め込んじゃえばいいんだろう、みたいなね。それで“♪愛は君 愛は空 愛は星”とか、まぁつまらない歌なんですけど、でも、考えてみるとこういうスタイルって言うのは、わりと最近の「最後のニュース」っていうのにもあって、あれも「ちょっとニュースっていうのも畳み込んでみようかな」というものですからね。こういう安易な方法が脈々と相変わらず二十年間生きてきたっていうのはおかしいなぁって、自分でも思いますよね。

